仕様
洗練されたミニマルな外観デザイン
白を基調とした外壁に、大きさや配置が異なる窓がリズミカルに並び、モダンで洗練された印象を与えています。黒いサッシや外壁の一部がアクセントとなり、建物全体を引き締める効果を生んでいます。キューブを組み合わせたようなシンプルなフォルムは、都市の景観に馴染みつつも、その直線的な美しさで際立った存在感を放っています。華美な装飾を排した、計算された構成美が特徴です。
- 道路に面した壁面には、大きな窓を設けず、横長の窓などを効果的に配置しています。外部からの視線を遮り、都市部の住宅で重要となるプライバシーを確保しています。計算された開口部からは安定した光が室内に取り込まれ、明るく快適な居住空間を生み出します。
- 隣家との距離が近い都市の限られた敷地において、建物を効率的に配置し、土地を最大限に活用しています。建物の高さを部分的に変え、立体的な構成にすることで、単調さを回避し、内部空間に変化と広がりをもたらしています。


上下階で世帯を分けた
二世帯住宅のフロア構成
1階に親世帯を集約し、2・3階を子世帯に設定することで、生活エリアを明確に分けています。家族それぞれの生活リズムを尊重し、互いが気兼ねなく快適に過ごせるように配慮された、非常に合理的なゾーニング(空間のすみ分け)が特徴です。
- 子世帯の生活の中心となるLDK(リビング・ダイニング・キッチン)を2階に配置することで、採光を最大限に確保し、明るく開放的な家族の共有空間を実現しています。
- 周囲の視線が届きにくいため、都市部の住宅でありながらプライバシーを守り、カーテンを開けて伸び伸びと過ごすことができます。
コミュニケーションと機能性を両立した子世帯のLDK
LDKのような一体的な空間において、天井の高さと素材を変えることで、キッチンという特定のエリアを視覚的に優しく区切るゾーニングの効果を生んでいます。これにより空間に落ち着きとリズムが生まれ、インテリアのアクセントとして空間全体を引き締める役割も果たしています。ブラウンとホワイトの美しいコントラストが、空間にメリハリを生み出し、モダンで洗練された雰囲気を作り上げることに成功しています。
- 下がり天井、カウンターの腰部分、そして背面のキャビネットの木目を同系色で合わせることで、キッチン全体に統一感と温もりを与えています。それとは対照的に、カウンター天板や吊戸棚、壁のタイルを白でまとめることで、清潔感を演出し、圧迫感を軽減しています。
- ダイニング側を向いたアイランドカウンターにシンクを配置し、家族と会話しながら作業ができる対面式のレイアウトを採用しています。背面にはコンロや調理家電、収納を集中させ、振り返るだけで作業が完結する効率的な動線を確保しています。カウンター周りをスムーズに移動できる回遊性も備えており、複数人での調理や配膳も快適に行える、コミュニケーションと機能性を高いレベルで両立させた設計です。


ホテルライクで機能的な収納計画のサニタリー
アクセントウォールから浮いたように見える洗面カウンターが、空間に軽やかさとモダンな印象を与えています。その背面には、縦長のタイルを貼ったアクセントウォールを設え、照明によって生まれる陰影が上質な雰囲気を演出しています。カウンター下の木製棚もデザインのアクセントとなり、機能的な洗面スペースを、まるでホテルのパウダールームのような、意匠性の高い空間へと昇華させている点が大きなポイントです。
- 「見せる収納」と「隠す収納」を巧みに使い分けることで、高い利便性を確保しながら、生活感を感じさせない洗練された空間を実現しています。
- 床には高級感のあるダークグレーのタイル、壁と天井は清潔感のある白、そして温かみのある素材を組み合わせ、空間に深みとリズムを生み出しています。
生活と仕事を両立できる親世帯のLDK
親世帯のLDKは、キッチン・ダイニング・リビングに加えて、設計事務所としての仕事の場を兼ね備えています。壁から壁までぴったりと設えられた造作のカウンターデスクが、部屋の寸法に合わせて作られているため空間に無駄がなく、広々とした作業スペースを確保しています。複数人での同時使用も可能な長さがあり、在宅ワークや趣味の空間として高い機能性を発揮します。木の質感が空間に温かみと統一感を与え、機能美を際立たせています。
- 大きな窓が外部との繋がりと開放感を生む一方、カウンターデスク上部の窓は外からの視線を遮りつつ空などを感じられるように設計されています。
- 白とブラウンの明確な色彩の対比が、互いの素材感を引き立て、空間全体を引き締めており、要素を絞り込んだミニマルな構成ながら、質の高い洗練された雰囲気を作り出すことに成功しています。

施工管理者からのコメント