耐震等級は住宅性能表示の基準。耐震等級3が注文住宅で重要な理由
住宅性能表示制度の構造の安定とは、住宅の柱や梁、主な壁、基礎などが、地震・暴風・積雪の力に対しどこまで耐えられるかを表示することです。
耐震等級には「倒壊防止」と「損傷防止」の基準があります。
耐震等級(倒壊防止)は、数百年に一度の頻度で起こる大きさの地震に対する耐震性能(震度7から6強の揺れに対する倒壊のしにくさ)を表示します。
耐震等級(損傷防止)は、数十年に一度の頻度で起こる大きさの地震に対する耐震性能(震度5強の揺れに対する損傷の生じにくさ)を表示します。
このコラムでは、住宅性能表示の基準と、耐震等級3が注文住宅に求められる理由についてお伝えします。
目次
耐震等級の基準を示す「住宅性能表示」とは?
住宅性能表示制度とは、
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下「品確法」)」
に基づく制度です。
品確法は「住宅性能表示制度」を含む、以下の3本柱で構成されています。
1.新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を「10年間義務化」すること
2.様々な住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」を制定すること
3.トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」を整備すること
上記の2番目に掲げた住宅性能表示制度は、良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するためにつくられた制度となっており、具体的には以下のような内容となっています。
1.住宅の性能(構造耐力、省エネルギー性、遮音性等)に関する表示の適正化を図るための共通ルール(表示の方法、評価の方法の基準)を設け、消費者による住宅の性能の相互比較を可能にする。
2.住宅の性能に関する評価を客観的に行う第三者機関を整備し、評価結果の信頼性を確保する。
3.住宅性能評価書に表示された住宅の性能は、契約内容とされることを原則とすることにより、表示された性能を実現する。
住宅性能表示の各基準
新築住宅における性能の表示項目には10分野33項目(必須項目4分野10項目)があります。
これらのモノサシは、住宅の外見や簡単な間取り図からでは判断しにくい項目が優先的に採用されています。
また、例えば窓を広くすると地震などに対する強さの等級が低くなる可能性がある等、10分野の性能の中には、相反する関係のものもあります。
また、建築基準法にもともと定められている性能項目については、最低等級である等級1は建築基準法程度の性能として設定されています。
したがって、費用と自分自身の希望を考慮しつつ、どの性能を重要と考えるかが決め手となります。
1. 地震などに対する強さ(構造の安定)
地震などが起きた時の倒壊のしにくさや損傷の受けにくさを評価します。等級が高いほど地震などに対して強いことを意味します。
等級1でも、建築基準法を満たす住宅なので、大地震が起きても倒れてしまうことはまずありませんが、性能表示制度を使うと、評価機関が建築工事を検査するので、ミスや手抜き工事の防止に役立ちます。
このほかにも、強風や大雪に対する強さに関する評価もあります。
2. 火災に対する安全性(火災時の安全)
住宅の中で火事が起きたときに、安全に避難できるための、燃え広がりにくさや避難のしやすさ、隣の住宅が火事のときの延焼のしにくさなどを評価します。
3. 柱や土台などの耐久性(劣化の軽減)
年月が経っても土台や柱があまり傷まないようにするための対策がどの程度されているかを評価します。
等級が高いほど柱や土台などの耐久性が高いことを意味します。
木造の場合は主に土台や柱が腐らないようにするための対策、鉄筋コンクリート造の場合は主に柱や梁のコンクリートがもろくならないための対策、鉄骨造の場合は主に鉄の部分が錆びにくくする対策を評価します。
4. 配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策(維持管理・更新への配慮)
水道管やガス管、排水管といった配管類は一般に構造躯体の修繕などを実施するよりも早く取り替える必要があります。
そこで配管の点検や清掃のしやすさ、万一故障した場合の補修のしやすさなどを評価します。
等級が高いほど配管の清掃や補修がしやすいことを意味します。
また、共同住宅等については、排水管が寿命となった際、新しい排水管に更新する工事のしやすさや、間取り変更のしやすさの情報として、躯体の天井高等の評価、表示もします。
5. 省エネルギー対策(温熱環境・エネルギー消費量)
暖房や冷房を効率的に行うために、外皮(壁や窓など)の断熱などがどの程度されているか、また設備(暖冷房、換気、給湯、照明)や創エネルギー(太陽光発電など)を総合的に評価します。
等級が高いほど省エネルギー性に優れていることを意味します。
6. シックハウス対策・換気(空気環境)
接着剤等を使用している建材から発散するホルムアルデヒドがシックハウスの原因のひとつとされているため、接着剤を使用している建材などの使用状況を評価します。
建築工事が完了した時点で、空気中のホルムアルデヒド等の化学物質の濃度などを測定することも可能です(ただし、測定はオプションです)。
また、住宅の中で健康に暮らすためには適切な換気が必要なので、どのような換気設備が整えられているかについても評価します。
7. 窓の面積(光・視環境)
東西南北及び上方の5方向について、窓がどのくらいの大きさで設けられているのかを評価します。
8. 遮音対策(音環境)
主に共同住宅の場合の評価項目で、上の住戸からの音や下の住戸への音、隣の住戸への音などについて、その伝わりにくさを評価します(この評価項目はオプションです)。
9. 高齢者や障害者への配慮(高齢者等への配慮)
高齢者や障害者などが暮らしやすいよう、出入り口の段差をなくしたり、階段の勾配を緩くしたりというような配慮がどの程度されているかを評価します。
10. 防犯対策
外部開口部(ドアや窓など)について、防犯上有効な建物部品や雨戸等が設置されているかの侵入防止対策を評価します。
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注文住宅の耐震性を上げる安心・安全のための耐震等級3
木造住宅において耐震等級3を確保することは、安心・安全な居住環境を提供するために重要です。
地震時の安全性を向上させるために耐震等級3は、地震発生時に住宅が崩壊する可能性を大幅に減らすための具体的な対策になります。
耐震等級3の基準を満たす木造住宅は、地震力による構造への負荷に対して十分な耐力を持っており、建物の倒壊や重大な構造的損傷を防ぐことが期待できます。
これにより、住民の生命や財産を守ることができます。
耐震性の高い構造を持つ住宅は、結果として耐久性が向上するので、長期間安全に暮らすことができます。
耐震等級3の基準を満たすことで、地震時に隣接する建物への被害を軽減することができます。
耐震等級3を満たす住宅は、地震による損害リスクが低いと評価されるので、地震保険の保険料の割引が可能になります。
耐震性の高い住宅を建てることで、長期的な経済的なメリットを享受することができます。
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オーナー様の好みや要望に合う、住まい手の思いや理想を共有できる建築家、設計事務所に依頼して、協働して注文住宅を建築しています。
実績のある工法、得意な施工を前提に設計された注文住宅は伝統的ともいえますが、慣れた工法や使い慣れた建築資材を優先してしまう傾向があり、ともすれば保守的な設計、デザインになる工務店も少なくありません。
ジェイホームズはオーナー様の土地や予算をふくめた様々な要望を理解して、高い提案力と柔軟なプランニングが反映された「建築家の家」を建てる工務店としての実績が豊富にあります。
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また、ジェイホームズは大手ハウスメーカー出身の代表の牧野や施工管理者たちによって創業されたこともあり、そこで培った技術力や品質管理体制、メンテナンス性への配慮を徹底しています。
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