ZEHには、光熱費以外にもメリットがある理由
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、その家で創り出すエネルギーが使うエネルギー以上の住宅です。住宅をゼロエネ(ZEH)にする意味はどこにあるのでしょうか。ZEHは光熱費がゼロになることが期待できますが、それ以外のメリットもあるのです。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、基本はパッシブデザインの省エネ住宅ですが、省エネといってもエネルギーは使うわけですから、ZEHには必ずエネルギーを作り出す装置が必要になります。
パッシブデザインとは出来るだけ機械設備に頼らず、自然エネルギーを利用して快適で省エネな住宅を造る技術です。具体的には日照の制御、通風、植栽の利用などです。それぞれの効果はそれほど大きいものではありませんが、配慮された設計によりトータルでは効果を上げる事が可能です。パッシブデザインは、あくまでも建物本体の断熱気密性能を確保していることが前提で成立します。
エネルギーを作り出す装置は、一般的には太陽光発電です。つまり「ZEH=パッシブデザイン+太陽光発電」ということになります。大きな発電装置を載せれば、あまり外皮性能等の高くない住宅でもとりあえずゼロエネは実現できますが、売電価格が下がった時を考えればランニングコストの面で問題ですし、性能の低い住宅は温熱環境の面が良いはずとは言えず快適ではありません。
太陽光発電だけでは、太陽が出ている時しか発電できず、天気の悪い日や夜間は電気が使えません。1年を通して考えると必要な電力は太陽光発電でまかなえる計算ですが、実際には発電できない時間帯は電力会社から電気を供給してもらう必要があります。逆に昼間、たっぷり発電できる時は、余った電気を電力会社に買い取ってもらうかたちです。
省エネということは、ランニングコストの低減につながります。ゼロエネなのですから当然光熱費はゼロになりますし、売電価格次第ではマイナス、つまり儲かってしまう訳です。
省エネルギー住宅での暮らしというと暑さ寒さをガマンするイメージがあるかもしれません。省エネルギー住宅として性能を高めると、年間を通じて建物内のすべての部屋が快適な温度に保たれます。単に快適と言うだけではなく、ヒートショックでの死亡リスクを減らす健康住宅にもなります。
<まとめ>
ZEHとは通常は「省エネルギー住宅+太陽光発電」です。多少イニシャルコストは掛かりますが、それに十分に見合うだけの経済性とともに快適性や安心も得ることが出来、さらに環境にも優しい住宅です。ZEHの仕様で家を建てることで、使うエネルギーが少ない、環境への影響が少ない、なおかつ快適な生活が維持されるので、ZEHの意味は十分にあります。