木造住宅における断熱の工法別解説
木造住宅では断熱について綿密な計画に基づくしっかりとした施工がされれば、「冬暖かく、夏涼しく」という目的は果たせます。
木造住宅でよく使われる断熱工法として、「充填断熱工法」と「外張り断熱工法」の2つに大別できます。充填断熱と外張り断熱の仕組みや考え方にはそれぞれ特徴があります。
このコラムでは木造住宅における断熱の工法の特徴について解説します。
目次
木造住宅における断熱の工法:充填断熱工法
充填断熱工法は、柱などの構造材の間に断熱材を入れる方法です。
ボード状の断熱材を入れたり、粒状の断熱材を入れる工法で、木造住宅において広く採用されている工法です。
壁の内側の空間を利用するため、壁の厚さに合わせて断熱材を入れることができる、比較的低コストで施工できる等のメリットがあります。
充填断熱工法の主な特徴は下記です。
1.壁の中のスペースを有効利用できる
充填断熱は柱などの間に断熱材を入れるため、断熱材用のスペースを新たに設ける必要がありません。また、柱の太さの分厚い断熱材を使用できるため、断熱性能を確保できます。
2. 火災時に火が回りにくい
充填断熱工法で主に使用されるのは、グラスウールやロックウールなど比較的「火に強い断熱材」です。万一の火災時には断熱材が壁の中に火が走るのを防ぎ、燃えにくくなるため、延焼を遅らせる役割を果たします。
3. 低コストで施工できる
充填断熱工法は広く採用されている工法で、使用されるグラスウールをはじめとした繊維系断熱材は断熱材自体が比較的安価なため、低コストで施工ができます。
一般的な住宅建築である「木造軸組工法(在来工法)」は、日本で古くから用いられてきた伝統的な建築方法です。充填断熱工法は、その在来工法に適した断熱方法として早くから発達し、現在も主流となっています。
木造住宅における断熱の工法:外張り断熱工法
外張り断熱工法(外断熱工法)は、ボード状の断熱材を柱などの構造材の外側に張り付けていき、住宅全体を覆う工法です。
外張り断熱工法の主な特徴は下記です。
1.隙間無く断熱材を貼れる
主に発泡プラスチック系断熱材が用いられ、隙間なく断熱材を貼り付けることができる、壁内の空間や床下等を有効活用できるなどのメリットがあります。
2.他の断熱工法と併用できる
壁には充填断熱を採用し、基礎や屋根には外張断熱を採用するなど、住宅の部位によって使い分けることもできます。
3.断熱材の厚さに限界がある
一方、外壁と外装材(サイディングなど)の間に断熱材があるため、重い外装材が垂れ下がる恐れがあることから断熱材の厚さには限界があります。
外張り断熱工法は、外的環境による外装材のゆるみや地震などにより変形しやすいなどの技術的な課題もあります。
まとめ
充填断熱にするか外張断熱にするかは、施工性やコスト、さまざまな断熱材の中からどれを選ぶかにも関わり、適材適所で考えることが大切です。
グラスウール断熱材で充填断熱したうえで、さらに外張断熱を付加して断熱性能を高める「付加断熱」という選択肢もあります。
断熱は、これからの家づくりにおいて特に重要です。そのために大事なことは、信頼できる工務店を選ぶことです。
ジェイホームズでは、断熱性を高めた高級注文住宅の実績、事例も豊富です。
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