SE構法はシステム化された木造ラーメン構法
耐震構法SE構法のSEという名称は「工学的に安全な構法」(Engineering for Safety)に由来するものです。このコラムでは、木造建築の新たな可能性を拓く「耐震構法SE構法」の特徴や在来工法との違いについて解説します。
目次
日本の木造建築と耐震構法SE構法
日本は豊かな自然に恵まれており、古来より地域の風土と対話しながら、木の家に親しみ、その木造技術を高めながら独自の住文化をつくってきました。しかし、戦争による甚大な被害の結果、国土復興を優先するあまりに、建築教育の現場から「木造」に関する教育は激減し、日本の木造建築の文化は一時的に途絶えることになりました。
現在、日本の住宅業界で広く普及している在来工法の木造住宅は、建築基準法や関連するルールに構造計算が義務付けされていないこともあり、その耐震性を詳細に検討されることなく建てられているのが現状です。
耐震性を科学的に検証されていない木造住宅は、世界一の地震国である日本に住む以上避けては通れない大地震や自然災害において、確実に安全とはいえません。
SE構法は、木造にラーメン構法を導入
耐震構法SE構法(以下、SE構法)は、独自開発したSE金物と、構造設計(CAD)とプレカット(CAM)と連動する構造計算ソフトによって、木造で構造計算を可能とした画期的な構法です。
SE構法は、日本の木造建築にラーメン構法を取り入れたものです。柱や梁を互いに剛に接合することで強固な躯体を作り上げるラーメン構法は、構造躯体としての信頼性が極めて高いです。しかし、ラーメン構法は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造といった強度計算できる部材を前提にしているため、従来の日本の木造建築にラーメン構法を取り入れるという発想自体がありませんでした。
SE構法は、性能が明らかな接合部や安定した品質の構造用集成材の部材を用いることで、構造計算やプレカット、施工精度、性能保証までを実現した「システム化された木造ラーメン構法」です。
<まとめ>
日本の木造住宅は、これまで経験や勘に頼ってつくられてきました。SE構法は、木造建築に構造計算等の確かな裏付けを与え、木造建築の新しい可能性を拓きます。SE構法の真価は、構造設計、供給、そして施工に至る木造建築の重要なプロセスを確実に管理することで、設計者のデザインを活かしながら安心・安全な木造住宅を建てられることです。
ジェイホームズでは、建築家の設計によるSE構法を採用したデザイン住宅の実績も豊富にございますので、お気軽にご相談ください。