仕様
地域のランドマークとなる物見櫓をイメージした注文住宅
山口県下関市に建つ2階建ての住宅です。ジェイホームズとしては珍しい遠方での家づくりプロジェクトです。ジェイホームズで以前に住宅を建てさせていただいたお施主様から、ご親戚の家づくりの「監修役」を務めてほしいと依頼を受け、「家づくりのプロデューサー」的な役割を担いました。工務店冥利に尽きる、とても光栄なご依頼でした。
- 完成時にはお客様はもちろんのこと、地域の皆様にも評価していただける住宅を実現しました。
- 協働する設計者や施工者と共に力を合わせながら、上品かつ個性あふれる美しい住宅を造ることができました。
自然豊かなロケーションに映える外観デザイン
街道に面した広い敷地に、街道を警護する「物見櫓」をイメージした注文住宅です。外観デザインは、屋根形状を物見櫓部分は方行(ほうぎょう)、平屋部分は切妻としています。方形屋根は、棟ではなく、屋根の中心から4方向に傾斜する屋根で構成され、横からみるとちょうど正三角形のみとなります。この方形屋根は日本建築で幅広く採用されています。
- 外壁は塗り壁(ジョリパッド仕上げ)で仕上げており、物見櫓部分は「やまぶき色」として、周囲の緑あふれる景観に映える設計としています。
- 方行屋根の深い軒の出を支える方杖(ほうづえ)が、各外壁面に規則的に3本づつ配置されて、構造的な役割と共に、外観デザインのアクセントにもなっています。
ほぼ平屋の間取りで実現する快適な暮らし
この住宅は、物見櫓以外はほぼ平屋です。広々としたLDKを中心に構成されている間取りです。平屋の利点を活かして動線もシンプルにまとめられており、使い勝手にも配慮しています。LDKには南北に大きな開口部が設けられており、バランスのよい採光と通風を実現しています。広い敷地内には植木や樹木が多く存在します。ほぼ平家であることから建物の北側にも日射が充分に入ることで、北側の庭の緑も陽により明るく輝き、美しい景色を室内から眺めることができます。
- LDKの天井は、屋根形状に合わせて勾配天井としています。見付けの細い登り梁が短いピッチで連続する天井面が、空間全体を木質感あふれるテイストで演出しています。
- キッチン正面の壁には、表情豊かなタイルで仕上げて、美しさと機能性を両立させています。キッチンやダイニングカウンターは、建築空間に合うように設計、製作されたオーダーキッチンです。
大空間のLDKとつながる舞台のような和室
LDKの隣りに配置された和室は、大きな2枚引き込み戸を開閉することで、個室としても使えますし、LDKと連続して使える空間としても使うことができます。和室には床の間や収納を設けて、多目的に利用できるように計画しています。
- 和室正面の壁はアクセントカラーの青い塗り壁で仕上げて、和の空間でありながらもモダンな雰囲気を演出しています。地窓部分は、庭の美しい竹林を「借景」として取りこむために、開口部の配置や高さ、木枠を活かしたデザインでまとめています。
- LDK、和室共に庭に面して開口部が連続しており、外部の豊かな景色を切り取ります。LDK南側の開口部の下には、ベンチカウンターを設けています。ベンチカウンターの下は、収納スペースになっています。
物見櫓の全方向に設けられた大開口から広がる景色
敷地の周囲は小高い山に囲まれ、建物以外は竹林と雑木林でした。進入路の拡幅から始まり、それから仮設の橋、旧家屋の解体、その後に建物に着手するというプロセスを経て、建設された住宅です。物見櫓の最上部は個室となっています。四方を観望できるように横長に連続する大開口を設けて、耐力壁は内部に確保しています。
- 物見櫓の開口部が外部の豊かな景色を切り取り、地域の景観を楽しむことができます。
- 物見櫓としての高さを実現するために設定した1階の階高の高さを活かして、1階の天井裏(2階の床下)に階段からアクセスできる「ハーフ収納」を設けて、収納スペースを確保しています。
担当者のコメント